《新設機器紹介》 形態系部門
from SIC NEWS No.3 1993.11.5

走査電子顕微鏡(日立 S-4500)

設置場所:電顕室(1) 装置の写真

S-4500 のページ第1電顕室の機器
【紹介】
 走査電子顕微鏡は、物体の表面構造を観察するものですが反射電子検出装置も装備しているため、試料内部の表面近くに存在する重金属を検出することができます。したがって鍍銀染色したり、免疫染色してDABとオスミウムを反応させるなどすれば、特定の細胞や物質を観察することが可能です。さらに、反射電子像と二次電子像とを重ねることにより、細胞や組織の表面構造とその中に含まれる特定の物質や細胞を同時に観察することができます。この両者を別の色で重ねて表示すれば、資料の持つ特徴を明瞭に示すこともできます。また、分解能 1.5 nm で 20〜500,000 倍まで拡大できますので、細胞内構造や巨大分子の立体構造を観察することもできます。試料の作り方を少し工夫するだけで、走査電子顕微鏡の利用範囲は、まだまだ広がるものと思われます。
 今回設置された走査電子顕微鏡は、明るい画像を静止状態で観察できるため、従来の暗室での観察と異なり目の疲れも少なく、複数の観察者が一緒に観察することも容易です。従来のモノクロ画像だけでなく、カラー表示もできます。信号の強弱を色に置き換えて表示されるわけですが、その際 (1) 信号強度により段階的に色が変化するモード、(2) 信号強度により連続的に色が変化するモードの2種類を選択することができ、モノクロの画像で明るさの違いとして表現されていた情報を、より明瞭に、あるいは半定量的に表示することができます。また各種の自動化機能を装備しており、非常に使いやすくなっております。

【仕様】

<分解能> <倍率> <電子光学系> <試料微動方式> <特別付属装置>
【利用の方法】
 「利用案内」(形態系-1 ページ)をご覧の上、電子顕微鏡担当者にお問合せ下さい。
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