アイソトープ実験施設改修工事竣工式・記念講演会

竣工式
日 時 令和元年7月29日(月)午後4時から
場 所 アイソトープ実験施設1階セミナー室
次 第
 平成30年1月から1年間にわたり改修工事を実施していたアイソトープ実験施設がこの度竣工し、本格的な運用を再開するに当たり、竣工式・記念講演会を執り行った。
 竣工式では、笹岡利安 生命科学先端研究支援ユニット長の開式の辞の挨拶の後、学長の代理として北島勲 理事・副学長(研究推進機構長)から挨拶を賜り、引き続き足立雄一 大学院医学薬学教育部長(医学部長)から教育分野の利用者を代表して祝辞の挨拶を賜った。
 その後、高雄啓三 アイソトープ実験施設長から改修した同施設の概要について紹介があり、引き続き酒井秀紀 大学院医学薬学研究部長(薬学部長)から研究分野の利用者を代表して祝辞の挨拶を賜り、盛会のうちに終了した。


記念講演会
日 時 令和元年7月29日(月)午後5時から
場 所 医薬イノベーションセンター1階日医工オーディトリアム
演 題 神経細胞に対する放射線の急性効果
講 師 白尾智明 先生(群馬大学大学院医学系研究科教授)
内 容
 脳腫瘍の治療には放射線治療が施されることが多いが、その際、正常脳組織への影響を避けることが難しいため、正常脳組織に対する放射線の影響についての研究が行われている。従来は主に神経細胞死が放射線毒性の指標として使われ、そのため被ばく後ある程度時間が経ってからの慢性期における毒性についての研究が多かった。そこで、我々は神経細胞に対する放射線の急性効果を検討したところ、マウスを用いて放射線照射後数時間で一過性の記憶障害が起こることを見出した。この時間帯では神経細胞死は観察されないが、記憶障害の時間経過に一致して樹状突起スパインに一過性の変化が起きていることが判った。培養神経細胞を用いた研究により、シナプス形成以降は放射線被ばくに対しての抵抗性が上がることが知られているが、大量の放射線を被ばくするとやはり培養神経細胞でも同様の変化が観察されることが判った。
 以上より、大量の放射線被ばくにより神経細胞のシナプスは直接の一過性の影響を受けることが示唆された。


学長挨拶
内 容
  講演後、齋藤滋 学長から挨拶を賜り、本学は「おもしろい大学」を目指しており、今回のアイソトープ実験施設の改修により、基礎科学研究がより一層推進されて、多くの新しい知見が得られることから、本学で重点的に取り組んでいる生命科学、特に神経科学や薬学などの研究が促進され、それによって本学がより一層おもしろい、魅力のある大学になることを期待していると述べられた。