薬学部 薬用資源学 林 利光
筆者は、本装置の納入時の使用説明会に出席したものの、実際に使用してみたことがなく、昨年の夏に測定を試みようと思った時には殆ど使用法を忘れていた。しかも、折悪く当時は使用不能で、練習することもできず、運転可能になったのは本年4月になってからであった。その後、宝酒造バイオ研究所での講習会に参加して LC/MS として利用する手順を習得したものの、次々に起こる予期せぬトラブルには大変悩まされた。せめて、警報ランプがついたり、Error 表示がでてトラブルの原因を知らせてくれればよいのだが、それがないまま突然使用不能になることが多く、原因がわかるまでにかなりの時間を費やすことが多かった。その都度世話人の方々にご迷惑をかけることになってしまい申し訳なく思っている。
大変高価で有用な分析機器なのに思うように使えないのは実にもどかしいものである。本機種は多くの製薬会社の研究室に納入され、専属のテクニシャンにより日常的に運転されメンテナンスも徹底されているとのことである。
ところが本学のように利用者が限られていて、専属のオペレーターがいない場合は、生化学系部門における現在の運用体制をとらざるを得ないと思われる。そこで、次のことを提案したい。既に構造分析部会で実施されているような定期的な「利用者のための講習会の開催」と「ライセンス制の導入」を図って頂きたい。特に講習会はメーカーの技術者による新しい技術の応用例の講習やメンテナンスに関してのより詳しい研修の機会を設定して頂ければ幸いである。
折角の分析機器を有効に活用して研究の新しい展開に役立てたいものである。